純粋さこそ最大の実力。高卒人材への限りない期待と育成論。
株式会社ノジマ 取締役兼代表執行役社長の野島廣司さんが、高卒採用にかける想いを語ります。
同社には学歴や性別による壁は一切ない。実力をフェアに評価する環境のもと、多くの高卒者が重要なポジションで活躍している。実際に高卒入社で神奈川・静岡エリアを統括する責任者を務める社員もおり、その成長のスピードと活躍の幅広さがうかがえる。
野島さんは高卒者の魅力について、「学歴という看板に頼らず、人間力で勝負しようとする真っ直ぐな姿勢。その素直さこそが、高卒者が入社後に目覚ましい飛躍を遂げる最大の強みです。漠然と過ごす大学の4年間より、実社会の最前線で挑戦を重ねる『ノジマでの4年間』のほうが、圧倒的な成長の糧になると私は確信しています」と話す。
同社には社内で開催する高卒社員向けの成人式があるのだが、ある年は対象者20人のうち5人が、すでに現場リーダーとしてチームの責任者を務め、手本となりながらメンバー育成にも関わる立場にまで成長していたという。そういった事実からも、野島さんの言葉には説得力があると感じた。
ただ、課題もある。教員の教えを忠実に守り育ってきた彼らは、教わったことを素直に吸収する反面、「指示待ち」になりがちだ。同社が求めるのは、言われた作業をこなすだけではなく、「自ら考えて動ける」人材だ。工場での製造スタッフや、ファミレスのホールスタッフといった役割がはっきりした作業は、いずれ自動化の波に飲まれ先進的なテクノロジーに代替されるかもしれない。
しかし、お客様の悩みを聞き出し、心を通わせてコンサルティングするノジマの接客は、マニュアルを超えた真のサービスとも言える。その分、難しさもあるため、一人ひとりの成長に合わせてゆっくり丁寧に育成している。
「どれほどAIが進歩しても、お客様の気持ちや細かな表情を汲み取り、本当に求められていることに応えるのは人にしかできないと思っています。当社ではマニュアルに頼るのではなく、お客様の立場に立って、どうすれば喜んでいただけるかを一人ひとりが主体的に考え、接客しています。だからこそ、この先もその価値で負けることはないと考えています。また、日々のお客様の声から新たなアイデアが生まれる環境でもあります。だからこそ、キャリアに関係なく自ら発信し、挑戦してほしい。その挑戦は会社としても全力で後押しします。社内のアイデアコンテストも活発に行われています」と野島さんは語った。
同社は高卒者の可能性を引き出すため「専用の育成部隊」を配置している。研修をあえて大卒と分けて、新しい環境に慣れるまでは、一人ひとりに寄り添いながら支援する。
自主性を育む一方で、野島さんは「社会に出たばかりの高卒者が、環境にすぐ馴染み、自分から悩みを打ち明けるのは難しい」という現実を深く理解している。
「だからこそ、無理はさせません。上司たちには『努力する部下を全力でサポートすること』を徹底して指導しており、日々の小さな変化を見逃さず、ひとりの人間として真摯に向き合う体制を整えています。そうした人間味ある優しさに触れることで、新入社員は『もっと頑張ろう』と思えるようになるものです」と教えてくれた。
さらに、通信制大学との提携による学習支援制度を設けている。入社前から利用でき、修了すれば受講料は会社が全額負担するほか、物流部門ではトラックなどの運転免許取得費用を入社後に支援するなど、成長を後押しする環境が整っている。
同社には、先代が創業時、社員全員を夜学の専門学校で学ばせた歴史がある。社員の可能性を信じ、立派な社会人へと導くサポートに全力を注ぐ姿勢は、同社のDNAとして脈々と受け継がれているのだ。
最後に野島さんは、進路指導に携わる教員に向け、「先生方には、勉強に限らず『高校時代に何か一つでも努力したこと』を持つ生徒さんを、ぜひ評価していただきたいですね。『3年間皆勤だった』『部活動に全力で打ち込んだ』など、どんなことでも構いません。高卒者に最初から完璧は求めていません。熱意が伝わればいい。大切なのは入社後の勝負です」と笑顔でメッセージを送ってくれた。
高卒者の可能性を信じているからこそ、全力で学ぶ意欲があれば、成長できるステージをこれからも用意し続けると、野島さんは力強く約束してくれた。
Profile
野島廣司さん
株式会社ノジマ 取締役兼代表執行役社長
設立/昭和37年4月
本社所在地/東京都港区港南2-15-3 品川インターシティC棟23階
資本金/6,330百万円
事業内容/デジタル家電製品の販売、付帯工事、修理、技術指導
従業員数/連結16,596名
企業HP/https://www.nojima.co.jp