高校新卒者の可能性を信じる、物流業界の新しい挑戦。
大東グループ 大東自動車工業株式会社 代表取締役/大東実業株式会社 取締役本部長の浜井拓通さんが、高卒採用にかける想いを語ります。
物流業界の人材不足は深刻だ。「社員の平均年齢は45歳です。55歳以上が全体の3割を占める一方、20代はわずか1割。高齢化が進んでいます」と大東グループの浜井さんは現状を語る。
同社では40年近く、高卒採用を続けてきた。年度によって採用人数は異なるものの、毎年順調に採用できていたが、コロナ禍でパタリと途絶えた。「当初は収束すれば戻るだろうと楽観していたんですよ。そんなときに知人の運送経営者と話す機会があって、『今の若者は、入社後にどう育ててもらえるかに注目しているよ。明確に示してあげないと採用はどんどん難しくなるぞ。私たちの若いころとは違って、今は企業が社員を本気で育てる時代なんだ』と教えてもらい、ハッとしました」。
売り手市場の今、高校生は企業を選べる立場にある。では、当社は複数の運送企業の中から選んでもらうための対策を、果たして打ち出してきただろうか。実際には、求人票を出せば採用できるだろうという固定観念から抜け出せず、高卒求人の取り組みは長年変わっていなかった。
その変化に気づいた浜井さんは考えを改め、長年苦楽を共にしてきた所長の佐藤さんとタッグを組み、採用のあり方そのものを見直すべく新たな施策を練った。従来のやり方を踏襲するだけでは未来を切り開けないという危機感が、背中を押したのだ。
まずは学校との関係を強化した。求人票を出すだけでなく、積極的に学校を訪問したり、企業ガイダンスに参加したりして、教員や生徒と話す機会を増やした。また、若者世代の感覚に寄り添うため、生徒に同社のトラックの画像を見せた上で意見を募り、カラーリングなどの仕様を考え、社名ロゴも思い切って一新した。
そのほか、入社後の育成方法も明確化し、キャリア形成を描きやすい仕組みを整備。さらに年間休日125日を実現し、福利厚生の充実にも注力するなど、若手も安心して働ける制度づくりを進めている。
こうした取り組みを支えているのは、何でも話し合える風通しのよい社風だ。それこそが会社の一番の魅力だと、浜井さんは語る。「いつでも私や上司、先輩と気軽に相談できる環境です(笑)。若い社員の意見をどんどん聞いて、実現できることは形にしたい。これからを担うのは若い世代ですからね」と笑顔で話してくれた。
同社の高卒採用はただの人員補充ではなく、育成を前提にした未来への投資であることを伝えたいと強調する。
実は、浜井さん自身も25歳でドライバーから所長に昇進し、今の地位に就いた。これは年齢や学歴に関係なく努力を正当に評価する社風の証明であり、全国17営業所のうち、すでに4営業所で高卒の所長が活躍している。ドライバーとして働き続ける道もあれば、整備士・営業・運行管理者へと進む道もある。キャリアの可能性は広く開かれている。
高卒採用を成功させるために、社員を何より大切にする姿勢を生徒と教員へ伝え続ける。浜井さんの挑戦は止まらない。
Profile
浜井拓通さん
大東グループ 大東自動車工業株式会社 代表取締役/大東実業株式会社 取締役本部長
設立/昭和31年8月9日
本社所在地/東京都板橋区新河岸1-7-2
資本金/3,000万円
事業内容/一般貨物自動車運送業、自動車運送取扱事業、軽貨物自動車運送業、生命保険・損害保険・自動車賠償責任保険代理店業
従業員数/約1,000名
企業HP/https://www.daito-exp.co.jp/